囚われの王子様。
えっ!ちょっと、なに?なんなの?!
引っ張られた先はなんと、責められていた男の人の隣。
突然のことに意味が分からず、身を捩るが肩をがっちりと抱かれていて身動きが出来ない。
なんなのこの人!なんなのこの状況!?
戸惑いと苛立ちで見上げると、そこには整った顔があった。
わあ、間近で見ると本当に格好いい。
じゃなくて!
「ちょっと、」
離してくださいと、何するんですか、と反論しようとしたその瞬間、
「こいつ、俺の彼女だから」
は?!
なぜか肩を抱かれたまま、見知らぬ男の人に彼女として紹介されてしまった。
驚き過ぎて声も出ない。
目の前には、私と同様に驚いて声もでてない様子の先ほどまで彼を責めていた女の人と男の人。