囚われの王子様。
欲しいものは?と聞かれ、咄嗟に『灯油』なんて言ってしまったけど。
我ながら、とことん色気がないな。
なんて言うか、生活感に溢れてる。所帯染みてる気さえする。所帯持ってもないのに。
でも本当に欲しかったわけだし。嘘はついてない。
かれこれ2年ほど愛用している石油ストーブは実家からのお下がり。
火を付けるとすぐに部屋全体が暖かくなるし、煮込み料理も出来る。ケトルでお湯を沸かすと加湿器がわりにもなる優れもの。
だけど、換気をしないといけないことと、灯油を買うのが割と大変って言うのがネックではある。
だから灯油は買い置きしておきたいけど、それにはやっぱり男の人の力が欲しいところ。
普段は弟に手伝って貰ったりもするけど、弟はバイトだサークルだとなかなか忙しいらしくこの前も断られたばかりで困っていた。
なので、運んで貰えると本当に助かる。