そのアトリエは溺愛の檻
「アキさんにはずいぶん前から依頼していて、良い返事はいただけなくてね。それが土曜に急に連絡が来て、月曜に話をしたいと言われて驚いたよ」
「土曜、ですか?」
「あぁ。今日もスタッフの方が来るかと思ったらアキさん本人が直接いらっしゃって驚いたけど、アキさんはウチに雨宮さんがいるの知ってたのかな?」
「どうなんでしょう。私の方は全然だったので……」
下手なことが言えなくて言葉が曖昧になる。
「ま、とにかくうまく進んで良かった。本来これは雨宮さんの担当ではないと思うが、周りにはきちんと伝えておくから。他の仕事と同じくよろしく頼むよ」
「はい……」
部長が言っていた土曜日に急に連絡があったというのが引っかかる。
もしかして、金曜日のことが影響している? いや、でも仕事の話なんてしてないし。だけど偶然というにはタイミングが良すぎる。
考えても仕方ないのに、気になって仕事が手につかない。ダメだ、まだやることがあるんだから。とりあえず頭空っぽでできる作業をしよう、うん。
結局その日は出張中の社長からも電話がかかってきて、「よろしく頼む」と直々にお願いされてしまった。
本当に逃げ場はない。
「土曜、ですか?」
「あぁ。今日もスタッフの方が来るかと思ったらアキさん本人が直接いらっしゃって驚いたけど、アキさんはウチに雨宮さんがいるの知ってたのかな?」
「どうなんでしょう。私の方は全然だったので……」
下手なことが言えなくて言葉が曖昧になる。
「ま、とにかくうまく進んで良かった。本来これは雨宮さんの担当ではないと思うが、周りにはきちんと伝えておくから。他の仕事と同じくよろしく頼むよ」
「はい……」
部長が言っていた土曜日に急に連絡があったというのが引っかかる。
もしかして、金曜日のことが影響している? いや、でも仕事の話なんてしてないし。だけど偶然というにはタイミングが良すぎる。
考えても仕方ないのに、気になって仕事が手につかない。ダメだ、まだやることがあるんだから。とりあえず頭空っぽでできる作業をしよう、うん。
結局その日は出張中の社長からも電話がかかってきて、「よろしく頼む」と直々にお願いされてしまった。
本当に逃げ場はない。