そのアトリエは溺愛の檻
水曜日から金曜日までの三日間は写真展が開催されるということは知っていた。

ポスターを見て気になっていたけど、平日でしかも11時から21時までの開館時間では繁忙期の仕事が終わるはずもなく、行くことは諦めていた。

昨夜は最終日で、もちろん21時には間に合ってはいない。それなのに、入り口にはライトがついており、外にもまだポスターが出ていたから、片付け忘れかなとぼんやり眺めていた。


そこに現れたひとりの綺麗な長身の男性。

キリッとした目が印象的でパーツのバランスが整っていて、その美しさは雑誌のモデルか何かだろうかと思ったほどだ。

169cmという女にしては背の高い私が見上げるくらいだから180、いや、185cmはあっただろう。突然現れた彼に見惚れていると、「中で見ますか?」と尋ねられた。

一瞬何を聞かれたのかわからなくて、答えられずにいると、「写真展、もし興味があれば。雨宿りも兼ねて」と彼は続けた。
そしてそれがあまりの優しい口調だったので、思わず「いいんですか?」と言ってしまった。



おそらくそれが過ちの始まり。
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