そのアトリエは溺愛の檻

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月曜日になり、いつも通り８時半頃出社する。

会社は９時から17時45分まで。先週までは残業続きで定時で帰ることは不可能だったけれど、今週からはきっと違う、と思う。


ロッカーに荷物を置き、スプリングコートとストールを掛け、ショートブーツからパンプスに履き替える。長い髪が邪魔にならないように束ねて、きっちりしすぎないようにトップを少し崩す。

そして自分のデスクでパソコンの電源を入れてから給湯室に向かう。お気に入りのマグカップに簡易ドリップのコーヒーをセットし、ゆっくりとお湯を注いで香りを楽しむ。マグカップを持って席に着き、戦闘準備完了。

ここから私の仕事がスタートする。


新卒でこの倉橋株式会社に入社して今28歳だから、もう七年目になる。事務機器の販売会社で、地方の中小企業だけど、地元ではそこそこ名が知れていることもあり、大小問わず顧客がいて毎日忙しい。

そのため、コーヒーを飲みながらメールチェックできる朝のこの時間が唯一落ち着いている時間とも言える。


それにしても、先週までは大口の案件支援で、通常の業務がほとんど進められなかった。

他のメンバーと共同で、資料や見積もりを何度も作り直していたから、共有サーバーにあるファイルやらがもうめちゃくちゃなので、それもはやめに整理したいのだけど、でもここの整理はとりあえず後回しだ。