【短】うさぎとピアスとチョコレート
――容赦ない、毒舌。
これが、二つ目の昔から変わらないところ。
もっとも中学や高校では『優等生』の仮面を被ってきたみたいだけれど。わたしの前ではいつもこんな感じ。
「うさぎじゃないし」
「うさぎだろ」
ツインテールの片方をグイっと引っ張られた。いつのまにわたしの背後にまわってきたの……?
「ふわふわしてる」
たとえばわたしのコンプレックスである髪をこんな風にからかってくるし。
「うるさいなぁ。触らないでよ。もう終わるんだから邪魔しないで……って、ああっ……」
できたての生チョコを横からひょいとつまんでくる。
「勝手に取るな……!」
「毒味してあげる」
「……失礼な! 毒なんて入ってない――」
無許可でチョコを頬張ってしまう大我。