【短】うさぎとピアスとチョコレート
相変わらずの自由人だ。
「……どう?」
生まれて初めての手作りチョコ。
ちゃんとできていたらいいんだけど……。
「――クソ不味い」
グサリと胸に突き刺さる言葉。
言葉だけじゃない。
冷たい視線を向けて、見下ろしてくる大我自身もまた、鋭い刃物のようで――。
「こんな不味いもの作るなんて。天才なの?」
「それは、大我がチョコ嫌いだからでしょ?」
絶望的な気持ちで、チョコを一粒手に取ると口に放り込んだ。
「なによ。普通に美味しいじゃん」
「こんなのゴミだよ、うさぎ」
「……は?」
「捨ててよ。全部」