【短】うさぎとピアスとチョコレート


 掴まれていた手首の力が緩まる。


「俺の分、あったの?」

「ていうか……全部、大我の……」


 わたしの言葉を聞いた大我が目を丸くする。


「大我はチョコ苦手だし食べてもらえるかわからないけど。それでも本命は生チョコだって、友達に、聞いたからぁ……」

「……うさぎが俺に? これを?」


 手で口をおさえ、顔を背ける大我。


「大我……?」

「…………」

「たい――」

「なんではやくそれを言わないの」

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