ARRIA
「もう陽は真上だから直に帰ると思うけど。アンタの分まで働いてるんじゃないの」


あたしより四つ年下のシータは、だから父さんとは六歳までしか思い出が無い。

何か手紙の一つでも書けば渡すチャンスなのに。


「ヒジュラとどっちが早いかな。母さんは何か父さんに伝言とかない?」


「…身体に気を付けて下さいと、それだけで良いよ。…あっ来たんじゃないか」



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