ARRIA
道徳の箱庭、小さな世界に全てが在る
あたしと若いヒジュラを降ろすと、バクと残りのヒジュラ達はあたしの家に来た時と同じ様に幾つもの音を立てて元来たと思われる道を戻っていった。




二人だけになり少しだけ嬉しくなったのは何故だろう。



この先にアジリがある。


けれど入り口の両脇にはまるで、初めて此処に立つ者に自らが何であるかを問わせる様な威圧がある。




「この像は…ググニ神ですか?街にあるものとはまるで違うけれど」

「その通りです。右にあるのはイシカ神です。僕も初めは戸惑いました。何とゆうか…印象が真逆とゆうか」



街には大きさこそ違うけれど幾つもの像がある。




病気など何らかの形で死者が出た家にはその悲しみが癒える迄、或いは二度と不幸が訪れない様にとググニ神の像を奉る。




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