ARRIA
周りには誰もいないのに確かにその歌は聞こえる。



目の前が歪み出し、空を見上げていたはずのググニ神の瞳があたしを見つめている。





耳が痛い!




「さあ…そろそろ行きましょうか」




ヒジュラの声でふと正気に戻った。



何も歪んでいないし像の視線はあたしの遙か頭上を指す。


夢から覚めた様に、耳も痛くないし歌も聞こえなくなった。



「…あれ…ああっ…すいません、行きましょう」




変な事を考え過ぎてどうかしてしまった。
早く行ってしまおう。





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