ARRIA
ヒジュラにはあの歌は聞こえてなかったのだろうか。




いや、もう考えるのは止めよう。




丘の一本道を進み、確かにアジリが見えて来た頃にはあたしはまた、新しい世界に圧倒された。



壮大な、白を基調にした建築物。
夢の様な美しさ。
突き抜けるような空の青と、どこまでも続く草原の中に取り残されたような本殿。



幾つもの塔が空に登り、中心の球体が本殿だろうか、その万人を威圧する様にそびえ立ち、けれどもその万人を受け入れる様に巨大な穴状の入り口がぽっかりと穿たれている。




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