ARRIA
「あそこが入り口ですか?」

「そうです。すごいでしょう。数百年もの間、形を変えずここに在り続けているのです」



お父さんも初めてここに訪れた時は同じ想いだったのだろうか。



アジリ。
神の在処。
その名に何の違和感も無い。




まるで現実と仮想の境の様な入り口を踏むと、なるほど確かに神様が現れそうな、等間隔に青い炎を灯す燭台が続く、暗く長い回廊があたしを迎えた。



「この奥にアグニ様がおわします。僕の案内はここまでです。アグニ様と話されている間に、書庫に降りる許可とお父様に会える様に取り合ってみます」




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