ARRIA
「えっあたし一人でこの先へ?」



心細くは無い。
むしろ神秘的な雰囲気に好奇心が疼くけれど、もうこのヒジュラとは会えないのだろうか。



「帰りに…またお送り致します。後程、またお会いしましょう」



とても口には出せないけれど考えてる事が表情に出てしまったのかもしれない、ヒジュラは聞きたい答えをあの柔らかい笑顔で返してくれた。


「はい…では後程」



そう言ってヒジュラは右手の通路の暗闇に消えて行った。



その先に目を凝らすと数人の往来が見える。


お父さんが近くにいるかもしれない。
本当に会えるなら会いたいけれど、先ずはアグニ様の許に行こう。



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