ARRIA
燭台の青い炎は何を燃やしているのだろう。

弱る事無く回廊の先を青く照らし続けている。


とても幻想的ではあるけれど本来ならあたしなんかが歩いて良い場所では無いんだ。



新鮮なものばかりが目に入って浮き足立っていたけれど、敷き詰められた石畳から冷気と共に厳格さが伝わってくるとあたしは萎縮を思い出した。


更にこの先にアジリの最高位があたしを待っていると思うとこの回廊をすごく長く感じる。



先に目をやると一人の老人がこちらに向かって来ている。
アグニ様に違いないとあたしの胸は正直に高鳴った。



「ようこそ巫女様。…私がアグニの位を戴く者です」




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