ARRIA
近づいてきたアグニ様はあたしよりも小さいが、後ずさりたくなる程の威圧感を柔和な笑顔に隠して放っていた。



「はっ初めまして…アーリアより参りました」



ググニ様はにこやかに笑顔を見せる。


慎重に、慎重に言葉を選ぼう。


「どうぞ奥へ。あなたの事を聞かせて下さい」




案内された先は外にあったものと違う、街に幾つもあるものと同じ形の二柱を奉る円形の祭壇だった。


天井が見えない。
外で見た塔の中かもしれない。


像の足下に用意された椅子に座りアグニ様と向かい合う。



非現実な重圧にあたしは更に萎縮してしまう。



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