ARRIA
「そうですか…理解しました。やはりあなたは選ばれるべき人だ。同時に羨ましく思います」



産まれてから現在までの事や、もしこんな場面に出会ったらどうするか等、アグニ様は何点か問われた後あたしをそう評価した。



何かの選定だったのだろうか、ここに来てやっぱり不適切だなんて言われなければ良いけれど。


「…何故、あたしなのでしょうか。あたしなんかに本当に務まるのでしょうか」
「クグニ神があなたが選ばれたのです。あなた以外には務まりません…どうか誇りを」



懇願する様に、アグニ様はあたしの目を見据えてそう言った。


そうだ。



あたしは選ばれたんだ。



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