ARRIA
どうすれば良いのだろう。

可能性があるだけであって、勿論未だシデンで迷子になっている可能性もある。

もう夕暮れだ。


「あたしがアジリに行って何とかしてみる。だけどあたしから何も連絡がなければきっとアジリにはいない。その時は…母さんをお願いします」

「わかった…もう行きなさい。こっちは何も心配いらない」





扉に手をかけ、あたしは少し立ち止まった。

だけど振り返らず、思い切り外へ飛び出した。


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