ARRIA
あたしは何かの為じゃなくて、ただ自分の運命を受け入れてここにいる。


死ぬ事はやっぱり怖いけれど、もうきっと街にいても何も無い。


選ばれてから日が近づく迄は、巫女に与えられた権利で何か退屈な日常を越えられるとゆう期待で死が隠れていた。


けれど結局どこにも行けない事に気づいて、何となく全てを受け入れた。




白波が押し寄せる砂浜の光景が浮かぶ。


結局どこにも行けないんだ。



あたしを乗せたバクは未だ速さを失う事無く丘を越えた。



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