明るい不倫
美也はうんとうなづいて、立ち上がった。

包み隠さない姿のまま床に落ちた下着を拾う。

「次はいつ会えるかなぁ。」

なんでもないことのように呟いて、徹を見やった。

「あー、うん、そうだな。来週、もしかしたら時間取れるかも。」

「来週?」

予期せぬ言葉に思わず声が跳ねた。

「うん、嬉しそうだな。」

そう言って微笑む。

「だって嬉しいもん。」

下着姿の美也に近づいてくると、目の前で立ち止まった。

「可愛いやつ。」

美也は照れたように笑って俯いた。

不倫ってほんとに不純だ。

どうしようもない想い。

どこにも出口なんかない。

なのに、止められない、この人を好きだと思う気持ちを・・。
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