くノ一です!
続いて激流の術を教えるとケロちゃんが張り切ってます。

「天才の華音なら激流の術も出来るケロ!」

天才・・・私、天才って言われちゃいました。凄く気持ちいい気分です。

「激流の術はケロな。静かなる心で水を動かそうとするんだケロ。大人しい人なら簡単に出来るケロ。華音なら余裕ケロ。」

「静かなる心ですね!」

そう・・・私は物静かで大人しい女の子です。そんな私ならではの必殺の術。

「いっけぇー!水龍爆炎撃ぃ!!!」

山に私の大声が轟く。そして、目の前には水の竜が・・・

「あれ?水のドラゴンさんは?」

せっかくカッコ良く術発動したのに水は一ミリも動いていません。

「バカっ!叫んでどーするケロ!静な心でやらねーと水は一ミリも動かねぇーケロ!」

「カッコ良く技を叫んじゃ駄目なんですか!?漫画みたいに出来ませんか?」

「静な心で叫ぶんなら出来るケロ。でも今の華音の精神状態だと無理ケロ。お前、水分身出来たからってちょっと浮かれ過ぎケロ。」

ケロちゃんに注意された通りです。私は水分身出来たからって少し調子のってました。

「わかりました!私はもう調子に乗りません!」

そう言って再び静かなる心を作る。

心を・・・精神状態を静かに・・・。言葉を発するな・・・。ただ、黙って水を動かすんだ。そう・・・最初は少しずつ動かせば良い。

私が念じると少しずつ水が動き出した。

ピチョ・・・ピチョ・・・という音が聞こえている。

ああ、取り敢えずは私は術が使えるようになったんですね。

そう思って目を開けた。
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