くノ一です！
店に入ると見事に忍者の格好をした奴らがいる。確かに今はランチタイムのお時間だが、人手不足でヒィヒィ言っている甲賀の忍者がこの店にこんなにいるとは・・・。

(うっわー。甲賀者が約30人もいるー。あたしの正体すぐバレそうだなー。)

とか言いつつも女はカウンター席に座って「おっちゃん、日替わり定食一つ！」と言って水を飲む。

その時、甲賀の忍び達が女の方を見た。甲賀では少ない若いくの一、そして忍び装束が白である。甲賀ではくの一の忍び装束は黒か水色である。しかし、伊賀のくの一は白な黄緑である。

もちろん、この場にいた忍者はすぐにこの女が伊賀者である事に気付いた。

(ヤバい・・・明らかにあたしをガン見しているよ。バレちゃったかな)

その時である。

ガシャーン・・・と刀と刀で打ち合う音が聞こえた。

「むっ！この伊賀者、俺の不意討ちの速さに追い付くとは！」

甲賀の忍者の不意討ち・・・しかし、この女には聞かなかった。

「君達の殺気は店に入ってすぐに感じたからね。来ると分かれば対処の仕方は簡単でしょ？」

不意討ち失敗に若干動揺する甲賀の忍びは距離を取る。

「あのさぁ、店の中であたしを襲うのは止めなよ。おっちゃんが迷惑しているでしょ？」

女が懸念するのは店主のおっちゃんの身である。しかし、おっちゃんは全く動じず淡々と料理を作っている。

「あたしを倒したけりゃ、外に出な。君達全員でかかってくれば良いよ。」

そう言って女は外に出る。

それを見て甲賀の忍びも女を討ち取る為に外に出る。

みんな、伊賀の小娘を討ち取ってやるーだの、下忍から中忍への昇格チャンス来たー！と言う輩もいる。
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