くノ一です!
「あ〜、良いお湯〜。甲賀の温泉は伊賀と同じくらい良いな〜」

本当は伊賀の温泉の方が格上と言いたかった。しかし、それが言えないほど甲賀の温泉は良かった。湯に浸かると体の疲れが吹き飛んでゆく。そして、美容にも良いという正に名湯である。

柚花は美容には物凄く気を使っており、生活習慣や栄養バランスもしっかりと管理している美少女である。

忍者としての成績も普段の行いもまさに優等生と言って間違いないのだ。

そんな優等生だが、甲賀で問題起こしたのは失敗であった。今夜の宿、それが解決しないのだ。

「野宿・・・野宿しかないのかな〜。嫌だな、野宿ぅ〜。」

そんな独り言を呟いていると変な声が聞こえた。

「お困りケロかな?お嬢さん。」

「うん?」

どこから聞こえたのかさっぱり分からないけど、さっきの声は明らかに男の声だ。しかし、ここは女湯のはずだ。それに男の気配はしなかった。

では一体何者だ?そう考えている柚花の肩に何かが乗る。

「ここだケロ」



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