この人、委員会の先輩でした。
「だってあの時はそう言わないと、俺、ひなたちゃんに告白しようとしてたんだよ。」


あの時の会話を思い出す。


『好きだよ……

えっと、この本が!』


え、あの『……』のあと私のこと言おうとしてたの?!


それでも、

「許せません!」


「ごめんね、何でもするから許して、ね?」


「なんでもいいんですか?」


先輩は折れそうなくらい首を縦にぶんぶんと振る。
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