ロベタサード
倉田カヨ*1*
どこの学校にも問題児はいるものだ。
現に俺の隣の席の彼女は今日もいない。
たぶん入学してから5回くらいしか見てない気がする。
「柊さんいてますか?」
入り口の生徒に声をかける小柄な先輩。
最近毎日のように現れる。
しかも、肝心の柊さんと会っているところは見たことがない。
……柊さんはこの人から逃げてる?
いや、違うな。
そんな素振りないし
柊さんに。
なんで柊さんに詳しいかって?
柊さんが大抵いるのは、一階のゼミ室。
俺はバスケ部。
ゼミ室から体育館はよく見える。
逆に、体育館からゼミ室もよく見える。
今日もまた彼女はあそこで寝ているのだろうか。