はじめまして 私の大好きな幽霊さん
ちょっとだけ、ひなたの顔が赤かったような気がしたけど気のせいだろうか?





屋上についたら
一人の女の子がボーと星空を眺めていた




ひ「あの方ですよね?」




言葉にならないのか、春は少しだけ涙をためて頷いた



ひ「千夏さん!こんばんは」




ひなたの声で催眠術?がとけたのか
いきなり我にかえったように…辺りをキョロキョロしていた




ち「な…なんで屋上…」




ひ「あなたに大切なお話しがあります!」




ち「え?あなたは…」




そりゃあ…まあ
気がついたら屋上なんてびっくりするよな



は「僕の姿は…見えないんですよね…残念です」



ひなたが、千夏と話している時


し「…伝えたいってその… なんなの?」




は「……駆け落ちです」




ぶっ…、
俺は、笑った訳じゃないが予想外の言葉にふいてしまった。



し「かっ駆け落ち?」




は「駆け落ち…するはずだったんです…でも…僕は自分の気持ちを伝えれなかった…あの日…


春が死んだのは…四年前だった。


病弱だった春は
眠るように死んだのだ



そして幽霊になった。
思い残す事なんてなかったから、すぐに成仏するはずだったが


彼女にであってしまった



その少女は、当時中学一年生だった



なぜか彼女には、ひなたのように特別な力はないが、春の姿が見えていた





は「…僕の姿が見えるの?」




ち「ゆっ…幽霊ー!!」




千夏は…最初は怖かったけど、何度か会うたびに
なれてくれたみたいで

話しかけてくれるようになった。





ち「へー…幽霊ってやっぱり足がすけるんだねぇ」




は「僕もびっくりしたよ
でも、なんで君に見えるんだろうね?」




ち「運命だったりして」



無邪気に笑う千夏の笑顔が僕は大好きだった…




僕は…幽霊である事を忘れてしまうくらい
彼女と充実した日々を過ごした。


ち「でも…やっぱり
触れないんだねぇ…」



僕の体を触ろうとしても
千夏の手は…僕の体をすり抜ける




ち「ねぇ?目をつぶって?」




は「え?…うん…はい」




春は、千夏に言われたまま…瞳をとじた




僕には、千夏に触られる感覚なんてないけど


あの時…キスをしてくれたような気がした。



でも…、それから千夏は僕に会いにこなくなった



いつもの場所で…いつもの時間に待っていても彼女は来なかった。




心配になった僕は…彼女に会いに行った





は「ち…千夏?」



彼女の部屋をのぞくと




ち「春!よかった…来てくれたんだ…」




は「どうしたんですか?…」




ち「最近…一人でしゃべったり笑ったりして
お前は変だって言われて
お母さん達が…春に合わせてくれないの…どうして?…春はここにいるのに…」




僕の姿は…人には見えない、なら…どうして千夏には見えるんだろうか



もしかして…僕がずっと千夏を好きだったから



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