はじめまして 私の大好きな幽霊さん
ぱぁああぁ…



キラキラと星のように輝く光の粉が、春を包む




ち「……春…なの?」




さわ…


光の粉に包まれた春は
そっと千夏の頬にふれた






ち「……触れた」










ち「春…っ春…」





は「千夏は僕より…大人になったんだね。」




ち「もう…18だよ…春がいないうちに
私…いろいろあったよ?
友達たくさんできたし
陸上も優勝したんだから…」



春はにっこり笑った



ち「会いたかった…ずっとこれからも一緒だよね?」


春は首をふるふる横にふる


ち「……行くの?」




は「あの日…伝えたかった事があって…でもやめたよ」




ち「え?…」



春は…優しく千夏にキスをした



は「千夏が…幸せに人生をすごして…天国に来た時に僕の気持ち伝えるから
待ってるよ…」











春を包んだ光は
風になびかれるように消えていった
そして、そこに居たはずの春の姿もなかった







しばらく、春がいた場所をじっと眺めていた千夏は…涙を拭いこう呟いた






ち「……長生きしてやるんだから…」




にっこり笑う千夏の笑顔は…、それはそれは綺麗だった







千夏はそのまま
俺達には何もいわず帰って行った






その背中には、何か輝いたものが見えた気がした




彼女は…春が
見えなくなってからも
強く生きていた



いつ春に会ってもいいように




そして…やっとの想いで会えた春…



彼女は…さらに強くなり
春のまつ天国に行くために強く生きるのであろう


屋上に残った
俺とひなた…



し「春の奴…言わなかったなすきって…」




ひなたは…瞳にたくさんの涙をためていた




ひ「春くん…と千夏さんはきっと…天国でまた会えますよ」





し「………ああ…そうだな」






変わり者で
みんなから避けられている…幽霊が見える少女ひなたは…



心優しい…おっせかいやろうなんだと俺は思った




し「………ほら…」




ひ「へ?」




し「泣くなら…胸かしてあげるから…もう
一人で泣くなよ?…えっと…どうせ暇だし
俺もまだ成仏できないみたいだしな…手伝ってやるよ…な?」




ひ「……はい…ずびっ」




静の胸に顔をうずくめる



し「なっ鼻水までふくなよっ!」





ひ「へへへ」





これが…
俺が関わったはじめての
幽霊からの依頼だった





衝撃的で…
俺も…幽霊なんだと
なんか胸が痛かったそんな一日になった

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