空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
余命宣告から4カ月。望夢は言われたより1

ヵ月長く生きた。

神様…。どうして望夢を連れていったの?

世界で一番愛しているのに。世界で一番失

いたくないのに。

どうしてこんなに不公平なんだろう。

どうして望夢なんだろう。

それからのことはよく覚えていない。望夢

の葬儀も、望夢が焼かれる瞬間も。

ただ、望夢が死んだという事実だけが頭の

中をぐるぐる駆け巡る。

そして私は、1カ月学校に行けなくなっ

た。

「つぼみ、今日も学校行かないの?」

最近の朝はいつも、お母さんのこの言葉

で始まる。「行かない」って言っても、

お母さんは無理に行かせようとしない。

「お母さん。今日ね、望夢の夢を見た

の。」
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