空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
お母さんとおにいに「行ってきます」と精一

杯笑った。

本当は望夢のいない世界を見るのが怖い。望

夢のいない学校に行くのが怖い。でも、お母

さんとおにいはそれをわかってくれている。

きっと、なるみと秋斗も。みんながいるから

私は歩きだそうと思える。それに、望夢は私

の中にいる。この先もずっと。だから望夢と

一緒に生きていくの。

「おはよ!」

学校の近くまで歩くと、前を歩くなるみと秋

斗の姿が見えた。私の声に気づいた2人は、

振り返り私を見ると、ほぼ同時に目を見開い

た。

「つ、つぼみ…?」

「お前…大丈夫だったか?」

2人は驚きながら。なるみなんて目をうるう

るさせて私の傍まで走ってきた。
< 120 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop