空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
それにね、先生。

「私の中にいるんです。望夢はいつまでも私

の中で生きているんです。」

私が自分の胸に手を当てて話すと、先生は穏

やかに微笑んで、頭を撫でた。

「そうだな。俺の中にもいるぞ。笑った岩田

がここに。」

先生も胸に手を当てた。先生の目が光って見

えたのは、望夢を想う気持ちが溢れそうにな

っていたからかもしれない。

先生とは高校受験について話をした。

「志望校は変えません。」

望夢と同じ高校を受けるつもりだった。だか

ら、進路を変えるつもりはない。望夢と一緒

に合格するの。

望夢のいない白黒の世界。

晴れ渡る青い空も。太陽の温かい光も。

虫の美しい合唱も。全てが私の世界から消え

てゆく。

まるで何かに吸い込まれていくように。

そんな世界に変わってから、3年が経った。
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