空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
『つぼみは好きな人いるの?』

望夢の心地いい声。桜は散っているのに、ま

るで春が訪れたかのような暖かな眼差しで私

に告白してくれた。

「いるよ…。」

今はこの世界にいない。なんて、大澤くんに

は言えないけれど。

「そうなんだ。どんな人なの?」

大澤くんは少しずつ私に歩み寄りながら聞い

てくれた。

「いつも優しい目で笑ってくれて、意地悪が

好きで、柔らかい声で話す太陽みたいな人。

どんなに辛いことがあっても、私のことを包

みこんで温めてくれるの。」

もう3年が経つのに、一つも忘れてない。望

夢の触れ方、抱きしめ方、キスの仕方も。求

めても、求めても、望夢はもう叶えてくれな

い。

「そうなんだ。」
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