空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
「大澤くん、モテるんだね。」

「そんなことないよ。一番好きになって欲しい人

には振り向いてもらえないから。」

私も一緒だ。一番好きな人はもうこの世にいな

い。一番会いたい人には、二度と会うことはでき

ない。

「大澤くんは優しいし、かっこいいからきっとう

まくいくよ!」

「ありがとう。森口さんの方がよっぽど優しい

よ。」

大澤くんは微笑むけど、その表情はどこか寂し

気だった。

「つぼみ!あんた、大澤くんと付き合ってる

の!?」

教室に入った途端に、なるみが飛び込むように

私の元へ走ってきた。

「な、なんで?」

どうして私たちが付き合ってることになってる

の?

「今日大澤くんと一緒に登校してきたでしょ!」
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