空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
「じゃあ、俺も一緒に見てもいい?」

大澤くんがゆっくり歩み寄り、私の隣に肩を

並べた。

「うん。」

一人で教室にいるのが私の放課後の過ごし

方。誰とも一緒にいたくない。望夢のこと

だけを考えて、望夢との幸せな時間を感じ

ていたい。そう思っていたのに。

大澤くんは違う。大澤くんが隣にいても、

望夢をそばに感じる。

「森口さん。つぼみって呼んでもいい?」

「え?」

「いや、昼休みそういう話になったから。

もっと仲良くなりたいから…さ?」

ちょっと照れたように話す大澤くんが少し

かわいいと思った。

「いいよ。私もひろくんって呼んでい

い?」

大きくうなずく大澤くん…いや、ひろくん

とまた少し、心の距離が近づいたような気

がした。
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