空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
望夢がいなくなった時と一緒だ。

「お母さん、私は大丈夫。望夢がここにいる

から。」

胸に手を当て、ゆっくり目を閉じる。やっぱ

りすぐ近くに望夢を感じる。私にはずっと…

「望夢くんは、もういないのよ。」

そんなの…。そんなのわかってるよ…。

「つぼみには前を向いて生きてほしいの。気

持ちはわかるけど」

「わかってない!」

お母さんの言葉を遮って私は声を荒げた。

「望夢は今も私を守ってくれてる!そばで温

めてくれる!だから私は望夢と前を向いて生

きていくの!」

お母さんは驚いたように目を見開いた。

お母さんの言いたいことが、痛いほどわか

る。だからこそ、それを認めたくない自分が

いて。
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