空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
私はただ黙って俯くことしかできなかった。

「ひろくん…。好きって言ってくれるのは本

当に嬉しいの。ありがとうね?」

気持ちに応えられないならせめて、「ありが

とう」の気持ちを伝えたかった。望夢の温も

りを求めてもがく中で、いつでもひろくんは

私を温かく包んでくれた。

「あのさ、つぼみ。頼みがある。」

「ん?」

ひろくんの頼みなら何でも聞いてあげたいと

思う。

「少しだけこのままでいさせて。」

ひろくんは私を抱きしめると、私の肩に雫を

溢しながら、ぽつり呟いた。私は望夢に対す

る罪悪感を感じながらも、ひろくんの腕を離

せずにいた。

「ひろくん…。」
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