空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
「遅かったじゃない!」

お母さんは眉間にしわを寄せて、「心配した

のよ」と私に近づいた。

夕飯が並ぶダイニングに向かい、自分が学級

委員になったこと、なるみと同じクラスにな

れたこと、もう一人の学級委員で隣の席の男

の子と仲良くなったことを話した。

「つぼみさ、そいつのこと好きなの?」

「ちょっと!おにい!」

おにい。森口大和という4歳上の兄が顔色一

つ変えずに言うから。

「そ、そんなことないです…。」

ほら、不自然になっちゃった。望夢はただの

友達。確かに、望夢はかっこいいし、話も面

白いし、優しくて素敵だと思う。望夢にドキ

ドキしたけど、それを「恋」と呼ぶには少し

違う気がした。
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