空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
ひろくんが溢す涙に、どれほどの想いが込め

られているのだろう。私が望夢と出会ってい

なかったら、ひろくんを悲しませない未来が

待っていたのかな。

「ごめん。ありがとう、つぼみ。帰ろう

か。」

私から離れて優しく囁くひろくんの頬には、

涙の跡が一筋残っていた。

ひろくんの背中を追いかけて私は教室を後に

した。

迎える文化祭当日。

「なるみ!おはよ!」

校門で待つなるみのもとに駆け出す。

「おはよ。あんたさ、大澤くんと何かあっ

た?」

やっぱりなるみは気づいてるんだ。

「なにもないよ?」

気づいているとしても、ひろくんに告白され

たことなんて言えるはずがない。
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