空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
「なるみ、ありがとう。でもね、私は前を向

いているよ?」

私の言葉に、なるみはあきれたようにため息

を溢した。

「もうすぐ私の言っている意味がわかる

よ。」

なるみの意味深な言葉を理解できぬまま、文

化祭は始まった。

心の片隅でひろくんの告白と、なるみの言葉

が小さく疼く。

「つぼみー!」

遠くから聞こえる声に視線を向けると、ひろ

くんが全力疾走でやってくる。

「ひろくん!どうかしたの?」

「あのね、お願いなんだけど。」

手を引かれてたどり着いたのは体育館。

「はい、つぼみ。これ着てステージあがっ

て?」

なるみから手渡されたのは、薄いピンク色の

ドレスだった。でも、これを着るのって…。
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