空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
なるみは柔らかく微笑んだ。

私は薬指にはめたリングを握りしめ、カーテ

ンの向こうの秋斗たちと対面した。

「いいじゃん!」

「似合ってるよ、つぼみ!」

みんなに褒められたら照れるよ…。

「綺麗だよ、つぼみ。」

「ひろく…ん?」

ひろくんの方を見るとまるで王子様のような

恰好をしていた。

「どうしたの?その恰好。」

「俺は王子様役ってことでみんなに任命され

ちゃった。」

恥ずかしそうに話すひろくんに望夢のタキシ

ード姿を重ねた。

ひろくんが私の隣に立つと、クラスのみんな

は「ヒュー!」と歓声をあげた。

「緊張するね。」

ひろくんとステージ裏で出番の待機中。
< 164 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop