空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
緊張で手が震える。

「つぼみ、大丈夫?」

ひろくんは心配した表情で私の顔を覗き込

む。私が小さく頷くと、すぐに出番が回っ

てきた。

しっとりしたピアノの曲に合わせて、私た

ちはステージにあがった。

「キャー!!」

観客の歓声が上がる。そりゃ、そうだよ

ね。ひろくんってほんとに人気なんだな。

歩幅をそろえて、少しずつランウェイを進

む。手がさらに震えていくのが、自分でも

わかる。早く終わってほしい。なんて考え

ていると、右手にぬくもりを感じた。突然

手を握ってきたひろくんは、顔色一つ変え

ずに歩いているけど、大勢の観客の前だと

思うと顔が熱くなる。
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