空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
気まずくなってしまった私は、ひろくんと言

葉を交わせずにいた。

「私には望夢がいるんだよ?望夢のことが好

きなまま、ひろくんと付き合うことはできな

いよ。」

私がもしひろくんと付き合うことは、世間一

般的には身代わりということになる。

「そうじゃなくてさ、付き合わないとしても

このまま何も話せないままでいいの?」

なるみの言葉に何も言い返すことはできなか

った。だってひろくんは大切な友達だから。

そしてひろくんとは何も話せないまま文化祭

はエンディングを迎えた。

自分の教室から中庭を一人見渡す。

「つぼみ。」

教室のドアによしかかって私の名前を呼んだ

のはひろくん。
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