空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
ひろくんは無言のまま私の隣に立つと。

「昨日はごめん。急にキスして。」

そんなにはっきり言う?

「いや…。ちょっとびっくりしただけだ

よ。」

私たちの間に流れる空気が重い。

「今日は帰る。」

そう言って鞄を手に取り、帰ろうとするひろ

くん。

「来週!」

突然叫び出す私の声にひろくんは振り返っ

た。私は話を続ける。

「来週、望夢の命日なの。」

これを言ってひろくんに何を伝えたいんだろ

う。そんなことを思いながら、ひろくんに向

かう視線を逸らせずにいた。

「毎年、なるみと秋斗と3人でお墓参りに行

ってるの。」

「今年は、俺も着いていっていい?」
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