空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
「私たちはこれをつぼみちゃんに読んでもら

いたいの。」

ノートを手に取りゆっくりと開く。

「今日から入院。脳腫瘍と聞いた時は正直シ

ョックだった。治療なんかしたってどうせ死

ぬって思った。だから治療は受けなくてもい

いや。」

「つぼみが一緒に闘うって言ってくれた。俺

は死を目前にして生きる意味を見つけた。つ

ぼみのために生きたい。」

「抗がん剤治療はドラマで見ていたよりも、

はるかに辛い。副作用が襲ってくるたびに死

んでしまいたいと思う。でも、いつだってつ

ぼみの笑顔が力をくれる。ありがとう。」

「やっと苦しい治療が終わって一時帰宅を許

可された。つぼみとデートしよう。きっとこ

れが最後のデートになる。」
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