空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
「つぼみちゃんが幸せに生きていくこと。そ

れが私たちの願いです。」

お姉さんが堪えきれなくなった雫を溢してゆ

く。この雫たちには一粒一粒に望夢への愛が

こもっているのだろう。

「お父さん、お姉さん。望夢に会いたくなっ

たとき、また来てもいいですか?」

ここに来るのが怖かった。色んな思い出が溢

れたここに来れば、もう二度と前を向けない

ような気がしたから。

「つぼみ…。これ…。」

気が付くとなるみは長方形の紙を手に持ち、

それを見つめてた。

「なるみ…?」

なるみ、どうしたんだろう。その紙は、見覚

えのあるもので。

「俺がいなくなってもつぼみが笑っていられ

ますように。」
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