空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
気持ちと同じ数だけ涙が零れていく。

でも、これで最後にしたいの。望夢がいない

悲しみで涙を流すのは。

「本当に、幸せでした。」

先生に精一杯の笑顔を見せた。先生も優しく

微笑み、先生の頬に悲しみが一筋伝った。

私はプロポーズの時と同じ場所に立った。

「望夢、いっぱいの愛をありがとう。これか

ら先も、愛してるよ。」

やっと言えた。望夢が亡くなった事実をずっ

と受け入れられなかったけど、私は確かに幸

せだった。だから「ありがとう。」って伝え

たかった。

先生が教室を出ると、私は窓を開けた。

窓の外は澄み渡る青い空が広がって、小鳥た

ちのさえずりが聞こえてきた。
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