空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
ちょっぴり恥ずかしくて。でも幸せの方が強

くて。胸がいっぱいで言葉が出てこない。だ

から、私はただ精一杯の笑顔を贈った。

「つぼみ。俺と付き合ってください。」

「はい。よろしくお願いします。」

望夢はゆっくり私に近づいて、私を抱きしめ

てくれた。初めてでドキドキするのにどこか

安心する。私も望夢の背中に手を回した。

私たちはしばらくそのまま温めあっていた。

「あのね、望夢。いっぱい思い出作ろう

ね。」

学校を出て、手をつないで、夕日が照らす道

を並んで歩く。

「そうだね。」

会話は特にないけど、手の平から望夢の優し

さが伝わる。ただ隣にいるだけで幸せに感じ

る。

「つぼみ、家着いたぞ。」
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