空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
嘘って言ってほしくて。

「脳腫瘍だって。だから、あと3カ月しか生

きられないって。」

何を言っているか、何を聞いているか、理解

できなかった。

だって…。だってまだ14歳だよ?なのに脳

腫瘍って…。

「う、嘘だよね…?」

嘘に決まっている。

「ごめん…。」

望夢はうつむいた。望夢はそんな嘘つかな

い。わかっていても嘘って言ってほしくて。

私は望夢に送る視線を、隣に立つお父さんに

ゆっくり移した。それに気づいたお父さんは

悲しそうに首を横に振った。

なぜだろう。今まで生きてきた中で一番悲し

いはずなのに。一番苦しいはずなのに。

涙は一粒もこぼれなくて。

「あの、お姉さんは?」
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