空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
「中学生がこんな時間までどこ行ってた!」

おにいがこんなに怒ったのは初めてだった。

心配かけちゃった。

「望夢くんとデートだったなら連絡しなさ

い!」

お母さんも震える声で私を叱った。

謝らなきゃ。頭ではわかっているのに。

声が出ない。そして一粒だけ涙が零れた。

「つぼみ…?」

「3カ月だって。」

私はすべてを話した。初デートの日に望夢が

倒れたこと。ずっと入院していること。

脳腫瘍になったこと。残り3カ月の命である

こと。

「そう…。辛かったね。」

お母さんは私を優しく抱きしめて、頭を撫で

た。最近は望夢の温もりに包まれて、望夢の

手が髪に触れるから忘れていた。
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