空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
「ヒューー!!」

祝うような看護師さんたちの歓声。

「大胆~~!」

そう叫ぶお母さんの声。自分のしたことに顔

が焼けるように熱くなるのを感じた。

そして私の誕生日パーティーが始まった。

7月7日は私の誕生日であると同時に、七夕

でもある。病院内はたくさんの願い事で溢れ

ていた。

「みんなと野球ができますように。」

「大きなケーキが食べたい。」

「お父さんが早く元気になりますように。」

ここにある願い事がすべて叶ってほしい。

欲張ったような願い事は一つもない。

健康ならできることを星に願っている。

自分以外の誰かの幸せを星に祈っている。

「つぼみも書く?」

望夢は短冊に願い事を書く子供たちに紛れて

私を誘った。
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