空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
ちゃんと食べた?」

「あまり食えてないな。」

私たちの会話に、なるみと秋斗は棒のように

立っていた。私はもう慣れたけど、2人は驚

いたんだろう。だって望夢は、病気になって

から10キロ以上痩せて、目の下のクマは病

気の進行と比例して濃くなったから。何より

も、抗がん剤で髪の毛が抜けて、帽子を被る

ようになった。

「なるみと秋斗も来たよ!」

私は慌てて2人を呼んだ。2人は私の声に誘

われるようにベッドの傍まできた。

「よっ!」

望夢も少し気まずそう。そりゃそうだよね。

病気を知って以来だもん。そう思ったとき、

秋斗が口を開いた。

「お前、死なせねぇから。」

「は?」

望夢はもちろん、私となるみも驚いた。
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